ユウサク

ロボットカーニバルのユウサクのレビュー・感想・評価

ロボットカーニバル(1987年製作の映画)
4.0
もの凄いらしいと聞いて北米版の4K UHD買った。買ってよかった。短編集だから60分くらいなのかと思ってたけどしっかり90分ある。

とにかくHDR化が凄まじくて光の演出が今まで見たことないレベルで映えてる。特に『STAR LIGHT ANGEL』はエグい。序盤のジェットコースターのシークエンスなんか光量が圧倒的過ぎて3Dにすら感じる。あと絵柄がZZガンダム過ぎてリィナとエルとクワトロにしか見えない。またOPの花火とか『プレゼンス』のオモチャのUFOみたいに七色に光るエフェクトも本当にそこにあるみたいな実在感で、ここまで出来るんだと感心してしまう。
フィルムの後ろに本当に光源があるからこその輝度らしく、だとしたら今後のデジタルアニメは絶対にこの品質に到達できないってこと……?とある意味デジタルの限界を知ることになってしまう。解像度の観点から言ってもデジタル制作は頭打ちなので、どうにかこうにかアナログ技術をさらに長持ち・簡易化する技術を開発していく方向にはならないんだろうか。

話を本編に戻すと『CLOUD』以降の作品はあんまりHDR映えしない画作りで、かといって話が面白いかというと抽象的だったり緩急が弱かったり支離滅裂だったりであんまり面白くは感じられなかった。『ニワトリ男と赤い首』は男の周りをぐるっと回るショットなどアニメーションのぐりぐり動く快感があってちょっと良かったかも。あとモロボシ・ダン役の森次晃嗣が声優やってたり、貞本義行と前田真弘が『明治からくり文明奇譚〜紅毛人襲来之巻〜』のスタッフにいたりする。

全編英語だけど映像特典として22分のドキュメンタリーもついてる。静止画多いけど資料として出てくる画像やポスターがえらい解像度高くて見てるだけで楽しい。なんとなくの理解だけど全米公開時は一部にしか評価されなかったのでこのソフトが改めて出せて嬉しい、みたいな主旨だったような。実際参加メンツは凄いし。加えてかなり短いけど各話の絵コンテ(ストーリーボード?)もついてた。
ユウサク

ユウサク