菩薩

ドナルド・リチー作品集の菩薩のレビュー・感想・評価

ドナルド・リチー作品集(2004年製作の映画)
5.0
①、戦争ごっこ

ノーマン・マクラーレン『隣人』の子供@砂浜with山羊みたいな作品。山羊を囲み対峙する14人の少年、生き絶える山羊、波打ち際に砂の山、波で崩され露出する死骸、見つめる1人の少年。振り付け:土方巽とあるが、暗黒舞踏感は皆無、むしろ細江英公感はMAX。

②、熱海ブルース
62年熱海、賑わう街、追う男、追われる女。お風呂の覗き見から始まり、最後は一緒に入ってフル勃起、恋なんて謂わばエゴとエゴのシーソーゲーム。音楽:武満徹、pure jazz。

③、猫と少年
黒猫や、オナニー止める、蝉の声。黒猫とチンポ。

④、死んだ少年
エロスvsタナトス、墓の前でのぶっかけオナニーは流石に罰当たり、波打ち際に打ち上がる青年の遺体、何故か乳首にドアップ、要するにガチホモ。

⑤、五つの哲学的童話
三島激賞もうなづける超ブラックユーモア。大腸びょんびょん引き出すやつはもしかして『ラッパー慕情』の井口昇の元ネタ?第3章は大きな樹の下で大カニバリ大会、骨までしゃぶる。操り人間、逆立ちの世界、身ぐるみはがされ男、意味は分からずとも面白い。

⑥、シベール
前衛パフォーマンス集団ゼロ次元とのコラボ作品。これはとにかく過激。線香の束やら、ぶっとい枝やら、基本アナルに物を差し込みまくる足穂的世界観、というか葉っぱが無い葉っぱ隊みたいな。後おちんちんに紐くくりつけてお散歩、いやおちんぽ。最後は血みどろの死体の上に寝そべり恍惚の表情、堪らない。


総じて超アヴァンギャルド、超ATG臭、超変態的性癖の大暴騰かつ大暴投、俺が観たいのはこういう作品だった。
菩薩

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