好みが分かれそうな作品ですが、約3時間の長尺ながら、私は全く飽きることはありませんでした。むしろ長尺だからこそ日常のカットを丁寧に描いてくれ、若い女性の数年間を瑞々しくリアルに見せてくれてたと思います。個人的には構成にもよりますが、2時間程度の映画では登場人物の気持ちに追いついていけないことが多く…。一見ムダと思えるシーンも沢山あり、でも逆に物語進行に作為性が無くて、個人的にはいいリズム感の作品でした。
基本的にゆったりとした物語展開なのですが、エマに一目惚れする場面、ベンチで初めてキスをする場面、別れた後に食事をする場面など、随所に鮮やかで印象的なシーンが入り、物語に引き込まれました。交差点で視線が交わって、お互いに振り向くシーンは本当に良かった。
ただ最後は悲しい結末で、確かに美しいお話しなんですが、主人公の浮気とかじゃない、何か根本的なずれがあったんだな、と予感させられて終わる。なんか後味が悪いですが、そういうとこも含めて好きな作品です。
