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アデル、ブルーは熱い色のchinsukoのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.5
アデルの熱い想いを描いた圧巻の3時間

色恋で3時間のハードルは高く、長らく敬遠していた本作、レア・セドゥ目当てで見始めました。
しかし、主人公のアデル役、アデル・エグザルコプロスに完全にやられました。


高校生のアデルは容姿も良く男からアプローチされ関係を持つも、結局自分から別れてしまいます。

アデルはすれ違っただけの青い髪の女性に一目惚れしていたのでした。

ゲイの男友達に誘われてそういう飲み屋に行ったアデルは、もしかしたらと青い髪の女を探します。

そして、青い髪の女、エマと知り合います。

知り合ってから、関係を持つまでは時間が掛かりませんでした。

エマといる時間がアデルの喜びでした。

絵画アーティストであるエマは、仕事仲間のパーティにアデルを誘います。

アデルは場違いを感じつつも女性と談笑するエマに言い知れぬ思いを抱きます。



前半はアデルの描写が殆どですが、ややアップ目のカットが多く、女優さんの持つ色香や、いつも半開きの唇がとても性的に映るため、この時点でアデルの虜になります。

中盤で、エマとの幸せな時間を描きます。勿論性交シーンも多くありますが、厭らしさと言うより、恋焦がれる人との性の歓びという感じです。丁寧にゆっくり描いて、見る人を2人の世界に没入させます。

後半、2人の世界が終焉を迎えます。この時のエマの激高からのアデルの深い悲しみのシーンは見る側の心を締め付けてきます。

最後は控えますが、アデルの悲しみは憔悴に移行し、エマとの再会シーンで心の締め付けが頂点に達します。

アデルの悲恋の物語、3時間が瞬く間に過ぎて行きました。
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