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アデル、ブルーは熱い色の燦のネタバレレビュー・内容・結末

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

鮮烈な一目惚れのシーンから始まったアデルとエマの恋愛。ふたりの違いははじめのデートシーンから「好みが合わない」というエピソードが重なることで示されるが、お互いが相手を家に招いて家族と食事をするシーンで決定的な価値観の違いが明らかになる。ふたりは出会いから別れまでずっと噛み合っていないように見えたし、青髪でなくなったエマは以前のような鮮烈さを欠いているようにも感じられた。

前半でエマへの気持ちが大きくなるにつれアデルの衣装やセットに青色が多くなっているのが印象的だった。それだけに、エマの髪色が青でなくなったことは時間の経過を表すだけでなく、エマが何かを喪失したことを表しているのではないかと思ったが、それが何なのかはわからなかった。

とにかくクローズアップが多くて、ふたりが世界の中心で焼けつくような恋愛をしているようなのに、どこか噛み合っていないのが不思議だった。その噛み合わなさが格差からきているかもしれないことに、ふたりが自覚的でないことを示しているのか?
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