JTKの映画メモ

嗤う分身のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
3.8
実に良くできた悪夢。
近未来なようでレトロな趣の管理社会を舞台に、気弱で内気な草食系の主人公サイモンとは真逆な性格の持ち主なれど全く同じルックスのジェームスが現れる。それだけでも悪夢なのに現実感の乏しい映像と美術が拍車をかける。惜しむらくは英語圏などの人が観たら尚更キッチュで悪夢感が増したであろう坂本九の「スキヤキ」やブルーコメッツの「ブルーシャトゥ」の音楽が自分が日本人であるが故に普通に聴こえたこと。
それ以外は、なーんも言うことなし。見事な不条理劇だった。
あとポスターで「文豪ドストエフスキー原作」とキャッチコピーとして割と大きめに扱ってたけど、そんなことどうでもいいわい。というか、いらん、そんなもの。