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嗤う分身のmのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
4.5
身につまされる作品だった。
良くも悪くも印象に左右される世界で、アピールしないという事がどれほど愚かな事かを突き付けられた。

元から気になっていた作品だったんだけど、生き方を変える良いきっかけになるかもしれない物で、これから先大切にしたいと思った。

これはドッペルゲンガーか多重人格か、なんて単純な話ではないと私は思う。
キャッチコピーのように『自己』とはなんなのかを伝える為の同じ顔といった設定だと思う。

自分の殻に閉じこもり、誰も認知してくれない、誰も相手にしてくれない、と嘆くのはあまりにお粗末だと、この混沌とした世界が教えてくれる。
日本人はとても受け身で、流されやすい。
私も受け身体質。
だけど、生きているのか死んでいるのか分からない人間に魅力なんて果たしてあるのか?

居なくても気付かれない人間に居る意味はあるのか?
仕事も恋愛も、主張から始まるのだと、私に教えてくれた。
善悪がとても問題だけど、ますば主張から。

また、色彩や陰陽の使い方が特徴的で惹かれた。
サイモンとジェームズみたいに、光があるから影があり、影があるから光が引き立つ、そんな絵に虜だった。
人工的(太陽の光が無い)でハリボテな世界もまた好き。

ジェシー・アイゼンバーグさんの一人二役が素晴らしい。
表情、歩き方、喋り方、目線、すべてが完璧に作り込まれていた。
ミア・ワシコウスカさんも美しくて、最高だった。

ggでサイモン演じた、ウォーレス・ショーンさん。
チャーリーとチョコレート工場に出ていた、ジェームズ・フォックスさんなど知っている顔があってまた良かった!

ホントに気付かされる題材で、大切にしたい作品。
まだ全て分かり切ってはいないから、何度も観れば解釈は変わってくるかも。
そんなトコも好き。

ハナの絵、ルネ・マグリットっぽいのが気になる。

ストーリー : ★★★★★
映像 : ★★★★★
設定 : ★★★★☆
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ★★★★☆
感情移入・共感 : ★★★☆☆

cc/お前は、誰だ。
自分は、誰だ。
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