こんな時こそ上を向いて歩こう、だよなァ!
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透明人間になったようなそんな日。目はあってるのにあっちは私を覚えてなくて、話してるのにあっちの心が読めなくて、まるで私の輪郭はあいまいにぼやけていって背景と化してしまうような、存在していることを証明するには写真などで確認しないといけないみたいな、そんな日。
(目の前にいるこの人とこの手の持ち主は別々な人なんじゃないか、ともたまに思う)
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名前と、住所と、電話番号と、生年月日と、会社名と、高校の最寄駅と、母親の旧姓と、初めて買った車と、ほくろの位置と、
あとなにを伝えれば私は忘れられない人になれたんだろう。