MakotoAkahori

インセプションのMakotoAkahoriのネタバレレビュー・内容・結末

インセプション(2010年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい作品。私自身が「夢」に興味をもっているのも一つの要因だろうが、伏線もキッチリ回収されている完成された作品だと思う。
現実は本当に現実なのかという、胡蝶の夢のような、人間のテーゼに踏み込んでいる。この作品を観て、私はまた一つ私の世界を確立することができた。

最後のシーンは強制的に記憶に焼き付けられた。あのトーテム(コマ)は回り続けるのか、あるいは倒れるのか。
確かなことは、主人公のコブにとって、最後は夢でも現実でもどちらでもよかったということである。
そして、私はそんなコブに強く共感できた。
私は、私が今いる世界が現実であるという私の主観が許されるのであれば、私がこの世界を現実だと規定することも許されると思っている。
その認識が、この映画を観て更に確信をもてるものに変わった。

この世界が夢ではない証拠は、この世界の中で唯一存在を信じられる自分自身が、現実であると規定し、信じて疑わないからである。
ノーラン監督は、それを伝えたくてこの映画を製作したのだと私は考える。

MakotoAkahoriさんの鑑賞した映画