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FORMAのこのレビュー・感想・評価

FORMA(2013年製作の映画)
3.6
立誠シネマさんにて二度目の鑑賞。久しぶりに対面した『FORMA』は、うん、相変わらずワンシーンワンシーンが長いなと思いました。ストーリーはおぼろげながら覚えているので、観るポイントは確かに変わったかも。このシーンの時にこの人はこんな表情だったのか…とか。

上映後に坂本あゆみ監督の舞台挨拶があったんですが、前に元町映画館で観た時も坂本あゆみ監督の舞台挨拶付きの回の時で、登壇された時「あんな恐ろしい映画をこんな可憐な人が撮ったのか…」と思わされました。今回も、あらやっぱりこんなかわいらしい方がこんな映画を撮られるなんてほんと不思議ね、と思いました。

「映画は体感するものだから、この作品はDVDにするつもりがないです」と語った坂本監督。個人的には、元映の舞台挨拶の時よりも色々と熱く語ってくださったなぁという印象でした。なんだか、『FORMA』という映画は監督の舞台挨拶込みで『FORMA』であり、体験そのものなのかなと思いました。

今年のカナザワ映画祭でクリスピン・グローヴァーのビッグスライドショウを「体感」したのですが、彼は自分自身がいなければ作品を上映しないことにしていて(上映前に自身の著作を朗読しつつのスライドショウ、上映後に観客からのQ&Aがセットでなければ上映しない)、何だか坂本監督とクリスピン・グローヴァーがダブったように感じました。『FORMA』という映画と、それを作った坂本あゆみ監督と(もちろん彼女1人では完成しなかったのだけれど)、私たち観客。この三者が共犯者になる、そんな映画体験だと思いました。
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