Tomo

ボーグマンのTomoのレビュー・感想・評価

ボーグマン(2013年製作の映画)
4.0
この映画は完全にパケ損してます。絶対B級ホラー物だと思いますから。

メチャ面白かったです!1度見てみるのをお勧めします。でも狂った映画が好きな人に限りますがw

そもそもヴァーメルダム監督自身、映画の解釈は観客に委ねると言っているので、意味や結論を求める方には理不尽極まりないでしょう。僕には挑戦状以外の何物でもないです。

冒頭、「そして彼らは自らの集団を強化するため、地球に飛来した」と始まります。既に意味分かんないです。

人の家の敷地内に穴を掘り、その中で彼らは生活している。そして見つかると一斉に逃げ出していく。スタート5分でもうこの映画の虜です。

この集団をボーグマンというのかも不明。リーダー格の長髪髭面の男が大邸宅に訪れ、汚れているから風呂を貸してくれ、というところからリシャルト一家を巻きこむ理不尽なストーリーが始まります。

ボーグマンとリシャルト一家(庭師と子守も含む)に起こることを起承転結でいうと、

「侵食」「洗脳」「破壊」「進歩」

って感じですかねー。これだけだとカルト集団が暴力により家庭崩壊させたみたいな感じですけど、全然違います。それぞれの行動が、不条理ながら緻密で大胆で、それでいてユーモアがある。けれど目的はと聞かれると???ってなる。面白いですねー笑

とにかく語るべきところは沢山あります。
庭師夫婦を殺害した後の、残骸を処理する方法や、庭師として雇われる為の周到な計画はおぉーーーって思います。凄いぞ、ボーグマンって笑

あとは人の心に入り込むのも、有り得ないんだけど物凄い自然です。やはり家族が崩壊するには母と子供を手名付けてしまうのが一番なのでしょう。

ラスト15分をどう解釈するか?悩みますねー。庭の完成を祝う寸劇、これ一番分かんないです。その後起きる事を示唆しているのか?なかなか手強いです。

リシャルトは?マリアは?そして子供達は?
果たしてボーグマンは目的を達成したのだろうか?

SFチックに見ると、一家を破壊し、未来ある子供達を仲間にして自らの集団を強化した、とか言えるかもしれないけど、そんなんじゃつまらないし、もっと理不尽な理由があると思ってます。

正直、他にもこうじゃないか?というのはあります。こういった幾多の考えが浮かぶこと自体、緻密な作品であるからだと思います。是非、ご覧ください!
Tomo

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