Shelby

ドン・ジョンのShelbyのレビュー・感想・評価

ドン・ジョン(2013年製作の映画)
3.4
イケメンでナンパをさせれば無敵と呼ばれるドン・ジョン。お持ち帰りはお手の物だが、ポルノを観るのは止められない。仲間達と会話する中でよく出てくる8点以上のいい女だとしても、何か足りない。何かが違う。ポルノを超えるものはそこには存在しない。故に普通のSEXに満足がいかず、結局はポルノで自慰をする日々。
ある日絶世の美女バーバラに出会い、彼女を手に入れるため彼女から言われる通りのことをし、やっと彼女とSEXまで漕ぎ着けることができる。
結果は同じで、バーバラとSEX後も案の定ポルノで自慰をしている最中、その一部をバーバラに見られてしまう。喧嘩になるも、誤解だということでポルノを見ないことを約束し、彼女と交際を続けていくが。

コメディらしくテンポよく進んでいくストーリー。ポルノ鑑賞中、絶頂に達するその瞬間、最悪のタイミングで男優が出てきて「oh shit !!」と叫びながら達してしまうシーンは超下らなくて笑える。こんな感じで下品なカットは多いが、取り上げているテーマは、非常に繊細で共感を呼びそうなものだった。

あ、これなんか分かるわ。とひとりでちょっと納得。別に男サイドの気持ちがわかる訳ではない。共感したのはジョンに対してエスターが告げた、

「あなたのSEXは一方的なのよ。相手に埋没しないと。相手との相互作用なんだから。」

という台詞。これには激しく同意。

一方的なSEXほど身勝手なものなどない。
相手のことを思い、相手のことを理解し合って認め合う。そんな関係を築いたうえでの行為は、それはもう、愛以外の何物でもない。
他者の受容とは中々に難しく、容易に自分という存在がピッタリと当て嵌る人には巡り会えない。
そんな様々な障害や壁を乗り越えた先に待つのは、どんな自分でも受け止めてくれるという信頼の上で構築される絶対的な関係。恋愛における最上の喜び。そんなことを思い出させてくれる。
低評価だが、私にとっては中々の良作。

この作品の総括をするならば、


〝ブリー・ラーソンの無駄遣いがすぎる〟


そんな映画でした。
Shelby

Shelby