トニー

ホドロフスキーのDUNEのトニーのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.1
映画史に刻印された偉大なる挫折。ホドロフスキーのDUNE。監督本人、当時の関係者の証言をもとに、この物語は何だったのかを探る壮大なドキュメンタリー。
この映画の魅力はホドロフスキー本人の魅力に尽きる。「この映画で世界を変える」こんな馬鹿馬鹿しいことを大真面目に言ってのけてしまうところに彼の凄さがあり、またどこか憎めない彼の愛嬌がこのそうそうたる戦士たち(ダリ、オバノン、メビウス、フォス、ギーガー、ピンクフロイド...)を集め得たのではないだろうか。
また、後半でこの未完の大作が映画史に与えた影響を目の当たりにし、この映画がもし作られていたらとそんなことに思い馳せてしまった。スターウォーズもエイリアンもブレードランナーもマトリックスも作られなかった、もしくはその形を変えていたかもしれない。この時点でホドロフスキーはすでに世界を変えることに成功していたのではないだろうか。また80過ぎのじいさんがこんなにもエネルギッシュに情熱を撒き散らしている姿を見て単純に勇気付けられた。
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