ホドロフスキーが絶対に作りたかったのに作れなかった映画「デューン」に纏わる話。
紙上では全ての準備が整っていたし、映画会社からも完璧な作品と言われていたのに、監督がホドロフスキーだから駄目だと言われて断られるのは本当に可哀想だった。
ドン・オバノンやデビッド・キャラダインとの出会い、そしてプロデューサーのセイドゥーといかにして準備を進めて行ったのかが詳しく描かれていた。
また、ホドロフスキーの描き上げた絵コンテは「スター・ウォーズ」や「ターミネーター」などにも影響を与えていて、その絵コンテを再現したアニメやCG等も登場するので興味深く観ることが出来た。
とは言え、「この絵コンテがなければ後の殆んどのSF映画は生まれなかった」と言うのは少々言い過ぎな気がした(笑)
遂に「デューン」がデビッド・リンチによって作られる事になり、完成した作品を観に行ったホドロフスキーの感想が実に人間らしい反応でなんかほっこりした。
この作品の中で、「84歳だがまだまだ映画を創る気力に溢れている。一生創造し続ける」と語るホドロフスキーを観て、凄いエネルギッシュな人だなぁと感じた。それまで勝手にヤバい人なんじゃないかと想像していたが、意外に普通の人だったので凄く親近感を得られた。
世界に2冊しかないというホドロフスキーの「デューン」の本。読んでみたいなぁ。