yuria

パラダイス 希望のyuriaのレビュー・感想・評価

パラダイス 希望(2012年製作の映画)
4.5
パラダイス三部作の中でも最も軽快で爽快な『希望』これはわたしがティーンエイジャー(ずっとティーンがいい)だからだろうか 求めていた作品だった。『愛』とも『神』とも異なり、重みはない。そこにあるのは若々しい乙女の恋心のみ。だって彼女は13歳。愛も神も知らないのだから。主人公のメラニーはダイエット合宿で少し大人な経験豊富の女の子とお友だちになり 刺激をもらい 合宿の医師に恋をする。さまざまなアプローチを試みるものの 大人は賢く関係を持つことを避けていく。それは本能とは裏腹になのだが、メラニーは気づかない。彼女がもう少し大人になれば先生の気持ちも察せるようになるのだろうけれど。恋愛の駆け引きもわからず 夢中に追いかける彼女はまさに『恋する乙女は可愛い』状態。この映画がただの青春映画にならないのは 随所に入ってくる無機質な合宿風景や構図などウルリヒ・ザイドル監督だからこそ。同じ体型の子達が同じ服を着て同じ動きをしている。均等化された人間のなかにメラニーがいることで彼女に特別感はなくなる。森のなかでの変態行為などを観ていてむしろこちらが欲望をもつほど、そこかしこに"欲"が散りばめられた作品。面白かった。ああそこでもっとこうしてよ…とか…もう少し…とか ああ若いプリプリ肌の美味しそうなこと。長くなってしまった。
yuria

yuria