おるふ

パラダイス 希望のおるふのレビュー・感想・評価

パラダイス 希望(2012年製作の映画)
3.5
パラダイス3部作の3作目『希望』
「パラダイス:愛」テレサの娘メラニーは母がケニアにバカンス、叔母が布教に勤しむ間、10代少年少女向けのダイエット合宿に参加する。この中でメラニーは合宿所の医師に初恋をする。優しく接してくれる彼女にとって初めての「大人のオトコ」に心酔するのだが、その叶わぬ恋に若干自暴自棄気味に。大人に隠れてお菓子を盗み食い、酒を飲み、夜遊びに抜け出す。

メラニーの13歳というまだ純朴な眼差しと子供たちのぽっちゃりとカラフルな(今にもはち切れそうな)Tシャツを見ているだけでも前2作に比べてとても軽く観やすいのだけれど、どことなくメラニーの行動に、母の隠れた性衝動や叔母の歪んだ自己顕示欲みたいなものがチラつき、3部作としての機能がよく働いているなと感じた。

『希望』での横並びの子供たちの構図は綺麗で、3部作を通じて後ろ姿を映したバックショットが印象的。人物の心情がよく映し出されていたと思う。

@新文芸坐オールナイト
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