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白ゆき姫殺人事件のtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

Rating : G (全年齢)
2014年作品


評をつづるにあたり、原作が漫画化やノベライズ化され、映画化に漕ぎつけたものの、

流れがほぼ、実際の事件、2000年に起き、冤罪の可能性があるまま、服役を余儀なくされ、刑期を終えてもなお、無罪主張をされている、犯人とされた女性が実在することへ、配慮したい。


因みにTWTRが創業したのは2006-03-21

事件の方は、MS社のOSの西暦2000年問題で
IT業界ではおおわらわな頃、起きていた。

似てるなーではなく、ほぼなぞってると思えてしまい、
殺人事件をサスペンスと楽しめる気持ちにはどうしてもなれなかった。

冤罪とする弁護側と、杜撰な捜査立件の警察、検察の有り様まで問われる事態もあり、
公平性が担保されない、外野側の物書きとしては何も書けない。

そこを、区切って
12年後にこの原作が生まれ、お化粧直しされ、ストーリーになった部分だけ鑑賞した内容を書こうと思う。


なお、「恵庭OL殺人事件」は、
ネットがようやくISP(プロバイダ, internet service provider)に商用化され立ての黎明期でもありまだ、普及手前。光ファイバーなんて無くて、銅軸メタル回線でADSL/VDSL
無線技術進化普及、ガラケー、スマホは更に後。

当時の書籍、新潮45で掲載され、重版販売禁止の訴訟も起き、
映画という手法、漫画、ebookと表現手法を換えて言論を出来てしまう、
マスコミ批判や、当時の現行法の問題点、

マスメディアの圧倒たる情報伝達力の前に、

一個人は、如何に無力で非力か?を再確認するような、当時の流れではあった。

現実の事件の公判の記録を読んでいたので、
どうしても重ねて見てしまう。

本編について。
国定公園の、BBQなど出来る、小さな水のある池の側で、殺害、死体を荼毘(だび: 遺体を焼く事)に伏した、流れと

恵庭の事件現場の農道が、貯水池側と、寄せすぎじゃないの?と少しヒヤヒヤとしながら、観ました。


小さな小学校や、仲間同士のコミュニティで
いじめがあったり、
この辺りから、殺人まで至る、犯罪心理学や法医学を学んだ方だと、きっともっと鋭い切り口の評が書けるのかも知れない。

灯油買うのって、雪国では、暖房費が給料に上乗せになるのは、道民に親戚が居たので知っていたが、

現在は誰でも、灯油やガソリンを、タンクに入れて購入出来ないように、危険物取扱法令が、改正されている。

そこで、着火剤と描かれるが、それを道具に使うなら、燃料はガソリンではない。
そういう、推論は出来た。

(理由は高校化学で習った、
揮発性ガスと酸素の結合度合いみると、マッチ擦ったら自分も丸焦げ、間違いないので。

事実、その辺のお勉強疎かだったのかな?、
田舎育ちの頃、古墳が公園敷地内に、残され、遊具がある様な場所に育ち、

草刈りの後野焼きにして、刈った草を燃やして処分するが、灯油では燃え方が弱いと、

ガソリン買ってきた町内会の他の家のおじさんが、

ガソリンなら、学生運動の火炎瓶じゃないけど、松明(たいまつ)投げ込んで、点火が普通なので、

ジッポライター擦って、上半身大火傷で、救急隊と消防が来て、
町会長さんが、厳重注意されてたのを、
ガキな頃だけど、火だるまの人を初めて見た衝撃で今も忘れてはいない。))



地味でウブな子なのか?はたまた、
下馬評が低い、事件起こしそうな子ランキングとか、
幼馴染みの同窓生たちへの匿名インタビューは、
何だか悪趣味だなと、思えたのと、

自分の育ってきた環境下が、いじめはあってもまだ、そこまで陰湿ではなかったのかな?!とも思えた。
(そう数多く、殺人事件も起きたらダメだよね!汗)


菜々緒さんの演じる、美女OLの、
性格の表裏や、
犯人に仕立て上げられかけ、自死を選ぼうか?
苦悩する、同僚OLの、

第五シーンでの、半生を懐古をしながらの独白。

そこに、TVの情報番組の真犯人逮捕の報道と
ネット連動で、
先行し過ぎたマスコミ批判も、描かれる。

事実、更にネットのリアルタイム速報性を、
フィーチャーしたつくりに、
2016年では、Twitter JPも協力した映画制作で

当時は珍しく動画広告
(最近じゃライブ配信する人もいるから、当たり前の動画CM tweet)
が、本格的に行われ、その頃もヒヤヒヤしてた気がする。

虚構新聞社主でないけど、
そういうwebプロモもアリなの?!TWTRよ?!とね。
ビビリなんだね、私は。汗


事件を手繰る、フリーのグルメライター赤星が
使ってた、アカウントも
@ red_star で現存のまま。
(今はログアウトされたようだが、あるには有る。)


演劇の勉強は、邪魔にならないと、
大学院まで進まれた、井上真央さん主演の良作。

まだまだ、可愛らしさのよそに、
地味目な役や、
殺人が絡む役柄も熟され(こなされ)、
今後の活動も楽しみになった!


実在の事件は、ご存知ない方は、
映画の後で、アナザーストーリーとして
未解決の冤罪なのか?は、別議論で、感じいつか考えてみてください。


深い作品を、うまく昇華させたなという絶妙さは、評価したいです!

お勧めです!

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(なお、恵庭OL殺人事件の表現は公平性を担保する、Wikipedia の記述に、冤罪の却下までしか、
書けない。事実と報道だけだから。

ただ、マスコミ報道や、著作物を原典に、
表現をどこまで広げるかは、
ホムペ(ホームページ。)のFC2に、冤罪ファイルに2記事ほど、良い冤罪主張支持の、言論は残ってる。東大法学部卒、元証券マンが書かれた文章は読み易い。

双方、そして、本作品と切り離して、
殺人事件の捜査と、犯罪心理を振り返るタイミングになりました。

(ブログツールを日本に輸入前だった。MovableType(ムーバブルタイプ。俗にMT, six apart社の日本法人設立が2004年。ブログツールの先駆け。
@ joi (伊藤穰一氏)が ネオテニー社で、Infoseekを楽天三木谷に売ったりしてた頃、私たちは、東大武邑ゼミ院生たちと、日本語化を夜な夜な作ってたり、
開発ローカライズで、離反もあったり。

個人の言論プラットフォーム先駆けのそれより前の事件でした。

16年間の刑期を終え、更新は、再審請求が決まるまで、誰も、現存する個人にプライバシー上触れられない、特定個人情報保護法施行後の今、
そこは、個々人で、ご配慮を。

拡散避けたいので、ネタバレボタンは押しました。配慮として使いました。お許しを。)

結論が出る映画でよかったと、ホッと胸を撫で下ろし、かたや事件の事をぼんやりと思い出した自分が居ました。

あと、表裏ある人々って怖いなと、若干PTSD直ってないので、しんどさは残りましたが
良い作品です。

ラストが良い区切りの付け方。
こういう、続編を敢えて書かない、脚本ってすげ〜とそこは鳥肌立つ、驚きもありました。

裏切る人、自分に都合良いことしか言わない人、
嘘つく人、女の人をもてあそんじゃう駄目な男の輩、
小さな社会で秩序を守るために、捜査がどう行われたか?

近年のtweetで、被害者に寄り添わない暴言で炎上した輩を見かけるにつけ、
切なさを感じざるを得ない。

真の良心は、どこにあるのか?
あの不敵な表情のラストと、

自分が自分で無くなるような、
虚ろ(うつろ)な現地に謝罪廻りに来たクビになった元ライター赤星。

その、矛先がかっちり切り替わる対比シーンが
最高級に絶妙な上手さで、ぞわっとしました。

井上真央さんファンでない方にも
是非お勧めしたいですね!
^ - ^)o

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第88回(2015年)キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞
(綾野剛、『そこのみにて光輝く』と合わせ)

第38回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞
(井上真央)

第10回おおさかシネマフェスティバル 主演男優賞
(綾野剛、『そこのみにて光輝く』と合わせ)



監督 - 中村義洋
脚本 - 林民夫
原作 - 湊かなえ
製作総指揮 - 大角正

美術 - 西村貴志
撮影 - 小林元
編集 - 川瀬功
照明 - 堀直之

音楽 - 安川午朗
劇中曲 - 芹沢ブラザーズ「All alone in the world」(キングレコード)
録音 - 松本昇和

配給 - 松竹
制作プロダクション - 松竹撮影所
制作協力 - 松竹映像センター
製作委員会 - 『白ゆき姫殺人事件』製作委員会
(松竹、松竹ブロードキャスティング、集英社、ジェイアール東日本企画、ぴあ、博報堂、GYAO)

興行収入 : 10億円
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