ShintaroOoooooo

7番房の奇跡のShintaroOooooooのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2013年製作の映画)
2.1
コメディだけなら良かったものの、泣かせようとしてくるので駄作になってしまった作品。

コメディとしてはそれなりに観れる。
こんな刑務所あるわけないだろ!とツッコミを入れながら観る感じ。

しかし、コメディだったら問題ない設定の雑さで涙を誘おうとしているところが本作の酷いところである。
刑務所生活は全く過酷に見えず、むしろ仕事の心配などをする必要がないから気楽で良いのではないかとすら見えてくる。
死刑囚の実感は微塵も感じさせられない。
例えば「こち亀」もめちゃくちゃな設定の警察が出てくるコメディではあるものの、回によっては感動もある。
下町の古き良き時代の回想や両さんの男気あふれる回などである。
しかし、さすがに死刑は重過ぎて感動のかの字も無いのである。

さらに1番の問題点は設定にある。
主人公が障碍者で娘がいるという、アイアムサムを彷彿させる設定。
娘の奮闘を描いて感動させるならまだ良かったものの、そういうわけでなない。
あからさまに障碍者をコンテンツとして消費する安い感動であふれている。
障碍者が主役の映画を全て否定するわけではないものの、本作は設定にあぐらをかいて脚本を作り込んでいないので、いわゆる感動ポルノに類する。
女の子の演技は良かったものの、少なくとも人に鑑賞を勧めたくなる映画ではない。
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