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東京難民のamuのレビュー・感想・評価

東京難民(2013年製作の映画)
2.8
いつ誰だってホームレスになるかわからない。仕事に邁進し企業に務めていても心のどこかでいつもそう思っていた。2010年頃、ダンボール生活をしている若者のドキュメンタリーが炸裂していたためか、そう思うようになった。それまでは、何らかの理由があるか、国のシステムにキック!みたいな年齢的リタイア勢が意外と小金をきちんと持ち、不潔だけど気まま生活をそれなりに謳歌さえしているようにすら感じていた。自分には縁のない話だから、それだって結局はドキュメンタリーで得た感想に過ぎない。だが、若者のホームレスは違った。この国の、とても深い問題であり、上っ面のマニフェストを掲げて取り組んでいますなんていう状態では無い。まぁでも、この作品はそれとはまたちょっと事情は異なるのだが…

人が堕ちていく様など見ていて気持ちのいいものであるはずもなく、知らないからこそ闇しか感じなかった夜の職業の裏も、暗いだけじゃない闇で、なんていうか、ティッシュ配りだってネカフェに住むことだって、誰もしたくなんてない。好んで敢えてアウトローに生きてます!という人以外は。闇の無い国であってほしいと思うけど、それにはお金なのかな。結局金さ!という世の中が一番怖い。

中村蒼さん、脇でいい味出してると思うことが多く、主演は珍しく思って観てみたけど、やっぱり上手ですね。もっと売れてもいいと思うのに、業界の闇も深いのだろうか。
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