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罪の声のamuのネタバレレビュー・内容・結末

罪の声(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

お話の展開が丁寧に描かれていて、史実や原作小説を知らない私にもわかりやすく、また多くの人間が出てくるにも関わらず混乱することも中だるみすることも無く、熱中して見入った。

人の気持ちに寄り添うあたたかいものを感じた脚本は、さすが野木亜紀子さんといったところだった。

主演のお二人もとても良かったけれど、宇野祥平さんが今作では断トツに素晴らしかった。彼の演技に何度も泣いた。最近観た「ビリーバーズ」ではひたすら気持ち悪いおっさんだったのに(笑)宇野さん凄い!

「市子」ではあれ…?となってしまった若葉竜也さんも、私の見たかった若葉さんの振り幅!最高でした。

若い頃のお父さんが尾上寛之さんだったり、お母さんが阿部純子さんだったり、達雄おじさんが川口覚さんだったり(現在の達雄さんの宇崎竜童さんも)キャスティングがとても合っていて、演技も皆さん素晴らしかった。篠原ゆき子さんもさすがだったなぁ、。

そして「クローズZERO」好きな私としては、生島姉弟のお父さんが阿部亮平さんなことを筆頭に、犯行グループはもはや鳳仙やん!美藤真喜雄もおるやん!てか鈴蘭の滝谷源治(小栗旬さん)もライブハウスのマスター(松重豊さん)もいるクローズZEROの世界線やん!!!て、別ベクトルでテンション上がりました。笑

実際の未解決事件を元にどの程度創作して小説を書かれたのかわからないけれど、着眼点から構成まで凄いと思ったし、原作小説と映像化にも違いはもちろんあると思うけど、ひとつの映画作品としてとてもよく出来たものだったのではと感じた。

人物の過去を掘り下げて追っていく系では最近観た中で一番良かった。

それと。犯罪者の家族や子供が辛い思いをし生きづらい世の中を描くお話は多々あるけれど、この視点はこれまで無かったようにも思えたし、その視点こそが素晴らしかったし、リアリティも見応えもとてもあった。
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