みっち

蜩ノ記のみっちのレビュー・感想・評価

蜩ノ記(2013年製作の映画)
4.2
ある事件がきっかけで10年後に切腹を命じられた者とその家族、見張りを任され遣わされた武士とのお話。原作は葉室麟さん。どの本や映画をとっても優しい空気が流れている。

切腹を命じられた戸田氏の生き様は見事である。死ぬことを恐れていないのは、武士としての誇りを持っているからだと思う。武士としての誇り。いいなあ。

冒頭で、父の切腹を知らされていなかった息子に戸田氏がこう言う。「そなたは武士の子。父の死を知ったとて何が変わるというわけではなかろう。」いかなることも受け入れる。その根の張った強さに感服する。

最後の切腹に向かう戸田氏の背中を見ると、静かで優しい涙が流れる。
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