ぽかぽか

武士道シックスティーンのぽかぽかのレビュー・感想・評価

武士道シックスティーン(2010年製作の映画)
4.0
上質な百合映画であった。素晴らしい。人物が初登場する際の、世界との地続き感がすごい。普通ならもっと観客に向けて紹介的な出し方をすると思うけど、恐ろしく自然に"そこに存在している"。度胸がすごいと思うと同時に、難しい監督だなとも思う。この異様な平均スコアの低さは悲しいかな、その丁寧で技巧的な演出による。主人公2人の出会いと再会の場面での高低の作り。ケーキバイキング(正面切り返し)→ホッケー→プリクラデートからの靴を脱いでの横移動(「冷たくないね。あったかーい。きもちっ」「もうすぐ夏だな」「うん」←なにこのセリフ!?)は言わずもがなご褒美だし、終盤の高台での3本勝負のロングショットは"泣き"ショットでしかない。最後の最後の試合が北乃きいの声だけで省略され次のショットでベスト16であることが提示されているように、これは剣道というスポーツよりも2人(の関係性)の物語なんだということがよく分かる。髪型もあいまって見てるうちに北乃きいが今井哲也『ハックス!』主人公の阿佐実みよしに見えてきた。
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