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それでも夜は明けるのMBのネタバレレビュー・内容・結末

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

やっと観れた。高校の時観ようとは思っていたけど辛くて途中でやめてまた観ようと試みて、を繰り返して結局最後まで見れなかったから今やっと観れてよかった。観れた今でもあまりにも辛すぎて途中飛ばしちゃったり小さい画面で見てしまったところもあるけれど…。
白人の精神的肉体的な吐け口として黒人が"使われて"おり、単に平等!差別反対!と訴えるだけでは効き目がないほど人種差別は根深かった。あまりにも。
ブラッド・ピットやベネディクト・カンバーバッチがやっていた役の人物(ウィリアム・フォード、サミュエル・バス)のように奴隷制度に対して異を唱える白人はいるが、反対声明やなにか発言をすることで彼らの生活が脅かされる可能性がある(サミュエルの「自分がかわいいんだ」がそうなのかも)、そして奴隷を取り入れることで富を築かなければならないという使命があるため、何も言わずただその制度に従うことしかできないというのも、それはそれで全くもって自由とは言えない。奴隷として働かされる側(鞭打ちや酷い扱いは黒人対象が多いので黒人側とも)はもちろんこんな制度不幸でしかないが、白人側もそれなりの不幸や不自由さ、不安定さを抱えているんだなと感じた。そのことでより問題を最悪かつ複雑にしている一方だった。今でも黒人に対する差別(人種問題に限らずとも)はまだまだ存在しているので、これらの問題を根絶させることはできるのかと気が遠くなりそうだ。こんな酷いことが200年以内?に行われていたものだと思うとゾっとする。パッツィーがほんとに泣ける……。ソロモンが脱出できたあと失意で倒れていたが、あのあとどうなっちゃったんだろう…と胸が痛い。
ベネディクトカンバーバッチの先祖は奴隷商人で、彼の母から「カンバーバッチ」という名は察せられるから使うのをやめるよう言われたが、自分自身も罪の意識を感じてあえてカンバーバッチと名乗っていると言っているインタビュー記事を見た。奴隷商人の役を引き受けたのも子孫として罪の意識みたいなものを感じて、という思いも背景あるのか?ベネディクト・カンバーバッチは奴隷商人の役を演じていて、序盤しか出てないけど役の人柄が人間的な扱いをする人物だった。他の奴隷商人がひどすぎるので、彼がいることで少し(権力はあんまなさそうだが)気持ちが救われる、というような存在だった。
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