きよみず

それでも夜は明けるのきよみずのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
#20-2014
白人に騙され目がさめたら奴隷となってしまった男ソロモンの11年8ヶ月26日を描く実話。アカデミー賞大本命と謳われるだけある中身。

ソロモンがただ勇敢であり正義感が強いという理由だけでなく、ゴマをすりリスクを冒すの姿がまた彼が生きて戻るという執念をより一層強くしており、彼は主人の家をたらいまわしにされるわけで、酷い態度をする主人もいればソロモンに肩入れしてくれる主人もいるのが現実感がある。この酷い状況とは裏腹に時折映し出されるウルジアナの綺麗な情景がこれまた皮肉である。また、奴隷となったあと年月の経過が出てこなく、見ているこちら側もいつ助かるのかと希望を持ち続けることができるし、最後の再会のシーンでは月日の経過が感じられる家族と12年経過した割りにあまり老けてないソロモンが対比されることで12年経過したことを実感させてくれる。

主演のキウェテルイジョフォーは素晴らしく白人主人のマイケルファスベンダーやポールダノ、同じく奴隷のルピタニョンゴがいい。あの鞭打ちの傷はどう撮影しているのだろうか。
でも一つ注文つけると散々白人を悪党として扱ってきたのに、奴隷撤廃を唱える白人バスをプロドューサーのブラピ自ら演じいいとこをもってくのはいかがなものだろうか笑。
これじゃブラピのファンがまた増える笑

正直感動して涙とかいう作品ではない。彼の夜は明けたがまだ全ての夜が明けたわけではない。たがら彼は活動家になったのだろう。現実におきた誘拐、黒人酷使、奴隷制にとことん向き合った作品だから、目を背けたくなるシーンも多々あった。
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