りん

それでも夜は明けるのりんのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
どこまでも絶望。そしてそれに対して目を伏せる主人公。いや、伏せているのか、誰よりも見据えているのか。映画自体のテンポが平坦なせいなのか、セリフが少ない効果なのか、視聴者側にはそれ程衝撃的な絶望感は与えないような印象がありました。ただ、影の様に湿っぽく、後ろをずーっと着けられている様な絶望感はありました。振り返ったら吸い込まれてしまいそうな、そんなものです。なので、冒頭の感想になりました。観た人みんなが口を揃えて「暗い話だよ」と排他的に言うのはそんな事があってのことだったのでしょうか。確かに、観た直後の私の今の気持ちは、暗いです(笑)
しかし、そんなじめっといつまでも続く蝋燭の灯の様に描かれている絶望感こそが、当時の奴隷として働かされていた黒人の方々の、リアリティ溢れる心理なのではないか、と考えます。

映画自体は面白かったです。彗星の如く登場するブラピはやっぱりいい奴役でしたね(笑)そんなところもハリウッドっぽくて好きですよ。
りん

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