んー。黒人監督の割には洗練されててアートっぽい切り口の人種差別モノだと思った。それなりの意欲作ではあるんだろう。否定はしません。
むしろ私なんかはリチャード・フライシャーの『マンディンゴ』みたいな残酷趣味、見せ物&ゲテモノ系を期待して観たのだが、この監督はどちらかと言うと教科書的な作り。長回しとかを導入しててカイエ・デュ・シネマの理論を持ち込んでる辺りが如何にも優等生っぽい。
最近の若手監督の作る映画がどれもこれも【主知主義】丸出しの作風でアンチ・ハリウッドの割には俗っぽい作風なのが無性に腹立つ時がある。この手のインディーズ映画を素直に容認する事は到底不可能。センスの良さだけでは全てが空転してしまう。
タランティーノにしろPTAにしろ、インテリ監督特有の教養が却って映画的な強みを阻害している気がしてこのような風潮は絶対良くないと思う。ここまで白人を誇張して醜く描いて欲しくない。この若手監督はまだまだ表現が未熟。