このレビューはネタバレを含みます
最近公開された作品の中では傑作の部類。
「奴隷制度」という思いテーマを扱っただけではなく、
映画・映像作品としての質の良さが確かに伺える名作だろう。
かなり序盤から入ってくる特徴的なカットや、
タイトルが表示後のバイオリンのメンテナンスのシーンは、
調整の音で今後の不吉な展開を暗示。
奴隷市のシーンでは必死でバイオリンを弾き自分の存在をアピールするも、周りはそれどころではない。
首を吊られるカットや、ブラッドピット扮する旅人が去ってからのノーサップの顔の長回し、死んだ老奴隷の死を弔うシーンで、自らが奴隷として心を失いかけていたことを理解してしまうなどなど、映像的に素晴らしい表現ばかり。
これが作品賞を取らずして何がアカデミーか。
こういう傑作が生み出されるから、映画を観るのはやめられないのだ。