Aika

ウォルト・ディズニーの約束のAikaのレビュー・感想・評価

4.8
ウォルト・ディズニーが「メリーポピンズ」を映画化するまでのお話。

原作者のパメラ・トラヴァースは映画化のオファーを20年以上断り続けたが、経済的な問題を抱えたことをきっかけに、一度カリフォルニアに向かい「検討」してみることに。

ここから製作陣とトラヴァース夫人の仁義なき戦いが始まる…!

原題は「Saving Mr.Banks」
メリーポピンズが救いにきたのは、子供達ではなくMr.バンクスだったことが今作を観ることでよくわかる。
この点は最後までトラヴァース夫人が唯一譲らなかったこと。
そしてウォルトが邦題の通り、唯一守った約束。

スーパー頑固なトラヴァース夫人を作り上げた悲しい過去。
メリーポピンズを映画化することは、過去への決別、愛する父の供養となり、彼女の心が救われていく。

私にとってウォルトは神様同然ですが、それでも今作ではトラヴァース夫人に自然と心が寄り添う。
ウォルトは完全無欠な人物ではなかったことを、サラッと描いてるのも好感。

作品に欠かせない名曲の数々を書いたシャーマン兄弟が「一番輝いていた時代を、こんな完璧に再現してくれるなんて」と泣いていたのを観るたび思い出す。
メイキングも素晴らしいのでぜひ観てもらいたいです。

映画「メリーポピンズ」の裏に隠されたトラヴァース夫人の涙、ウォルトの執念、製作陣の情熱を知ると、本編が違った角度からみえてくると思います。



余談ですが、私はこの作品の舞台となったカリフォルニアのディズニーランドで、第2の青春を過ごしました。

メリーポピンズのような親友ができ、バートのような人と恋をして、煙突掃除屋ような陽気な友達たちと転げるほど笑って過ごした日々は私の宝物。

なのでこの作品は思い入れもあり、何度観ても最初から最後まで泣いてます…
だってウォルトがパークに立ってるんだよ!トム・ハンクスなのかもしれないけど、あれはウォルトにしか見えない!
ちなみに公開後、ミーハーな私はカルーセルにさっそく乗りにいきました笑

メリポピファンにぜひ訪れて欲しいのは「Jolly Holiday Bakery Cafe」
あのメリーポピンズのカフェがなんと現実に!
白いガゼボのような外観に、ペンギンたちの透かしがドアに入った可愛らしい内装。
トマトスープとチーズサンド、スライスポテトフライのついた「Jolly Holiday Combo」がお勧め。
テラス席からはシンデレラ城が見える最高のロケーションなので、美味しさも格別です。

カリフォルニアのディズニーランドは、唯一ウォルトが自ら設計し、足を踏み入れたパーク。
消防署上にある、ウォルトの部屋の窓辺の灯は未だにともされ続けています。
「The Happiest Place on Earth」と呼ばれる場所は世界で一つだけ。私の永遠のアナザースカイ。死んだら一部だけでも散骨して欲しい…(迷惑)
Aika

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