Shizka

大統領の執事の涙のShizkaのネタバレレビュー・内容・結末

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督は人種差別をメインテーマとして扱いたいのだろうけど、私にはこれは親と子の映画だ。

確かに彼は人種差別の犠牲となり、何代もの大統領の成功政策と失敗政策を見てきた。

そしてロナルド・レーガンの制作に我慢が出来ずに職を辞したわけだが、それだけで息子が正しかった、と考えるのは早計だろう。

親の心子知らず、バトラーになって子供を育てているのに、子供はその職を危うくするようなことをする。しかも親の金で、正しいからといって。

そこに、この映画の葛藤が見れて面白かった。

親の願いを裏切った行動ばかりする子供はまさにどこにでもある関係性、親の仕事の大変さを理解していないのも同じくだが、大統領の執事という自分では発言できないけれども政治の中枢にいる親の立場、これが面白い。

一方では子供を怒り、絶対的に認めない立場を貫く。自分の仕えている大統領に寄り添わなくてはならない、自分の意見を持たないように従事するバトラー、難しい役だったがフォレスト・ウィテカーの演技が最高だった。

ほとんど表情も変えず、忠実なバトラーの顔が最後に見せる本心、耐えるところさえも見せない演技に満足である。
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