このレビューはネタバレを含みます
主人公のセシルはもちろん、この時代に差別と戦ってきたアフリカ系アメリカ人たち、そして彼らを友とした白人たちの生きづらさという次元では片付けられない戦いに焦点を当てた映画だと思う。
・セシルのお母さんが白人に連れていかれる、セシルのお父さんがとめると銃殺される
・夜道を歩いているとアフリカ系アメリカ人の死体が首吊り人形みたいに吊るされている
・レストランで白人席に座る練習をするために、活動している学生同士で罵倒しあう練習をしている
そしてKKKに学生たちの乗ったバスが囲まれ、燃えている
上記の場面は当時ひと1人の命が軽く扱われていたか、そして差別がどれだけ深刻で悲惨だったかを物語っていて衝撃的だった
現状に我慢ならず、差別を無くそうとアフリカ系アメリカ人の未来のために活動している息子ルイスと
白人に雇われて稼いだお金で家族を養い、波風立てずに生きて欲しい父セシル
息子は息子で正しいことをしているけど、セシルとしては自分の父のように殺されて欲しくないし心配するのも共感できるし、この時代アフリカ系アメリカ人の家庭ではこの映画の親子のような確執があったのかもしれない。
セシルの態度は一貫しているものの、擁護派、表では擁護するものの裏では差別していたり、擁護しているアピールで見世物ののように扱ったりと再現度はともかく大統領によって接し方が異なったり、接し方が歴史が動く事に変化していくところが面白かった。
苦いという日本語は海外で(特に)アメリカで発言すると(発音が英語での黒人差別用語と似ているため)多大なる誤解と災いを呼ぶことがこの映画を見てよくわかりました。