タイトルを見て7人の大統領に仕えた執事のユーモアを交えたストーリーかと思いきや、かなり根深い人種差別の話だった。心が苦しくなる場面も多かったが、実際にその場にいた執事はもっと苦しかっただろう。そこに空気として存在することを求められたのだから。
人種差別とアメリカの歴史は切り離せない。公民権運動を戦った若者たち、ベトナム戦争に駆り出された若者たち、どれもが重い。オバマ政権の誕生がどれだけ凄いことで、どれだけの黒人たちが救われたか。まだ今も進行中の人種問題、少しでも改善されてほしいと強く願う。
父と息子の和解は泣けた。この映画は、差別、家族、仕事、歴史、全てが含まれた深い作品だと思う。