半年以上ぶりにフィルマークス復活。
ゼミ課題で渋々観たこの作品ですが、最後には涙していました。なかなかの良作だったと思います。
当時奴隷制が根強く残っていたアメリカ南部の農園で奴隷として育ち、白人に逆らえばどうなるかを心を痛めて知った主人公セシルが成長し、苦悩しながら白人社会を生き抜く物語。
純粋に映画として、主人公のみならず彼の家族の心理状況が本当にリアルに描かれており、とても感心しました。人種差別の実情を痛いほど知っている父セシルと、その父の姿が黒人の現状に甘んじているように見えることが不満である息子ルイス、親子関係の軋轢に心を傷める母グロリア、公民権運動で過激な活動をする兄に反発する弟、全ての登場人物にスポットライトが当てられています。
ルイスが公民権運動に積極的に参加して経緯がかの有名なキング牧師にとても類似しており、史学を学ぶ上でも大変役立ちます。
アイゼンハワー政権時代から話は始まり、オバマの当確あたりまででストーリは終わるのですが、その8年後にはトランプが当選してしまうとはなんとも言えませんね笑