セデック

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のセデックのレビュー・感想・評価

2.5
エキスポシティのIMAXで見てきた。ファルコンの空飛ぶシーンだけIMAXで、後は全部35ミリフィルムって出し惜しみしすぎやろ。クライマックスもIMAXにしないとこのシアターで見る意味がない。

もしかしたらと期待したが、ファルコンがレイのそばにあった瞬間、なんで今までこれに乗って逃げなかったんだろうという疑問が湧きまくった。ルークを待っていたと説明されても、レイをあの辺境惑星にとどめておく理由にしては、弱すぎる気がした。

レイのフォースに目覚める大事な描写が、ルーカスよりも下手くそでビックリした。12パーセクのギャグとか散りばめる前にやることあるだろって思った。このシーンが上手くないと、映画の全てが台無しになるのに、何故マインドトリックを通してフォースに目覚める描写に固執したのか、理解に苦しむ。
カイロレンのマインドトリックを真似てみたってことで片付けちゃったけど、スターウォーズユニバースの設定上この描写は、ものすごーくおかしい。だって、オビワン並みの上級ジェダイじゃないとこの技使えないだろって…

エイブラムスのドラマ作りが、スタートレックほど上手く出来ていなかった事がショック。多分、スタートレックに比べて自由度が圧倒的に低い超人気シリーズであるスターウォーズを前に萎縮してしまったのだろう。
だから、インタビューでも最初にオファーされた時は、断るつもりでいたと言っていた。
あと俺は個人的にルーカスが最後まで関わるべきだったと思っている。だってこのシリーズをどうにでもできるのは、生みの親のこの人だけだから…

アクションシーンは、ライトセーバーの殺陣に関しては、問題ないかな…Xウィングの空戦シーンが、エピソード3よりも劣っているのは、何故だ?興奮したとか言ってる輩がいるけど、ちっとも興奮しなかった。今のマーベルの方が、誰が見ても凄いといえる視覚効果を見せている気がする。スターウォーズは、常に業界の視覚効果の水準を上げてきた。一作ずつ限界値を超えていく宿命を背負っている。だから、新しい技術が披露されなかった今回の新作は、スターウォーズではないといえる。

CGだって結局、エピソード3からどこが進化したんだ?と首を傾げずにはいられないほど、変わってなかった。企画開発の度にCGソフトを開発する程度の技術革新しか起こらなかったここ10年間のハリウッドの怠惰な姿勢が、映像にあらわれている。デニスミューレンは、絶対この映画の視覚効果の出来に満足してないと思う。
着ぐるみや実寸大のセットを多用したことによって、作り物感が出てしまった。スターウォーズにとって、大事な世界のスケール感が、このアナログチックな見せ物のせいで、損なわれてしまっている。飛ぶシーンは、完全にアニメーションなんだから、フィックスカットの背景もCGとかデジタルマットペインティングとかで、統一した方が違和感なかったはず。アナキン三部作の背景が、ほぼCGアニメだった理由は、この違和感の排除のためだ。
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