西出季生

スター・ウォーズ/フォースの覚醒の西出季生のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スター・ウォーズはep1~6まで一応全作見てるけれども、ずいぶん昔に見たっきりであまり憶えてない、くらいの私なんですが、ちゃんと楽しめました。
新しい三部作の幕開けとしては充分すぎるほど良い作品だし、J・J・エイブラムスはこれ以上ないほど充分に務めを果たした、と言えるのではないでしょうか?

旧作からの「乗り継ぎ組」の中でも目玉とも言えるハン・ソロとチューバッカのコンビがまた見れる、というのはシリーズファンにとっては非常に嬉しいことなのだろうと思います。レイアもなんだか良い歳のとり方をしていて彼女とハン・ソロとの掛け合いは味わい深いです。

新しいキャラであるポーやフィンは、どちらも生命力に溢れ、新シリーズに力強い息吹をもたらしています。タイファイター強奪のシーンはとてもワクワクしました。二人は次作からも重要な役目を果たしてくれそうです。
そしてなにより新ドロイドのBB-8のデザインが素晴らしい。可愛い。私も一体欲しい。ください。60ポーション出すから!!!

冒頭少しだけですがマックス・フォン・シドーが見れたのは嬉しい。
それから私の好きなサイモン・ペッグもエンドロールに名前があって「え? 出てたっけ?」と思ったら……その役かよ!

さて、新シリーズでの主人公とされているレイは、なんだか「風の谷のナウシカ」のナウシカを彷彿とさせるキャラクターであるように思いました。男よりも男らしい「自分で走れる」女性として描かれている。フォースに目覚めた彼女がルークと出会い、これからどう成長していくのか楽しみです。

スター・ウォーズシリーズは「善vs悪」「光vs暗黒」という分かりやすい対立の構図が明確に提示されており、それがあるからこそ頭を空っぽにして子供のようにして楽しめる作品であるように思うわけです。
では新シリーズにおいて善の側の主人公がレイだとするなら、悪の側においてそれと同じくらい重要な立ち位置にいるのがカイロ・レンです。
今作においてはレイよりもむしろカイロ・レンのキャラクター造形に気を払っていたように思えました。

偉大なカリスマであったダース・ベイダーと、それに心酔し「あなたを受け継ぐ」というカイロ・レンとの関係は、ジョージ・ルーカスとJ・J・エイブラムスの関係と相似にあります。
未熟ながらもなんとか「強くなりたい」と願い、そして「父殺し」を果たしてまでそれを欲する。彼のキャラクターがどうやって掘り下げられ、どう深化していくか。
激昂してライトセーバーを振り回して暴れる、精神的な未熟さをあえて描いたのは彼もまたこれからシリーズを通して成長していくキャラクターであるからこそ、としか思えません。自作以降が面白くなるかどうかはカイロ・レンの魅力次第だとさえ思います。

なんだかんだでこんなに「続きが早く見たい」と思える作品はそうそうないでしょう。次作が本当に楽しみです。