Keito

ダラス・バイヤーズクラブのKeitoのレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
4.2
僕にとってのヒーローはいつも10年先にいる。

酒、ドラッグ、女に溺れた1人の男の運命。

自分は世界を知った気でいたんだ。

マシュー・マコノヒー圧巻の演技に目を離せない。


実在した、ロン・ウッドルーフの実話を基にした心震える人間ドラマです。

日々を怠惰に過ごしてきたカウボーイが突如、余命宣告を受けて、そこからの日々を描いてる物語ですが、彼の人間としての成長と芽生えてくる他者への思いやりに涙を流さずにはいられません。

最初は「トランス・ジェンダー」であるレイモンドに対しても、近づくな!と毛嫌いしていたけど、彼の優しさと芯の通った心に感銘を打たれて、偏見の目を無くしていく姿はとても心温まります。その人のことをよく知らないで、最初からステレオタイプ的な目線で相手を見るということは最も愚かな行為だなと改めて考えさせられました。

また、エイズに関する考え方も変わりました。当時の常識では、簡単に異性愛者のレッテルを貼られて生きづらい思いをした方も多くいると思います。自分は絶対にならないんだと確証のない自信を持つこともあってはならないことだし、様々な側面から物事を見る重要性もこの作品を通して学びました。

映画情報

マシュー・マコノヒーが、エイズ患者を演じるため21キロにおよぶ減量を達成して役作りに挑み、第86回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した実録ドラマ。1985年、テキサス生まれの電気技師ロン・ウッドルーフはHIV陽性と診断され、余命30日と宣告される。米国には認可された治療薬が少ないことを知り、納得のできないロンは代替薬を求めてメキシコへ渡る。そこで米国への薬の密輸を思いついたロンは、無認可の薬やサプリメントを売る「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立。会員たちは安い月額料金で新しい薬を手にすることができ、クラブはアングラ組織として勢いづく。しかし、そんなロンに司法の手が迫り……。ロンの相棒となるエイズ患者でトランスセクシャルのレイヨンを演じたジャレッド・レトも、アカデミー助演男優賞を受賞した。
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