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ダラス・バイヤーズクラブのmotoのレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
4.3
死ぬ前にどう動くか、で、主人公から込み上げてくるエネルギーが知らず知らず伝播して、無償の、救いの手を他者に差し出すような形になった。金儲けのためにバイヤーズクラブを立ち上げたようにもみえるが、少なくとも当初はそうだったのかもしれないけれども、なぜか、ぼくには彼は金儲けとは全く違う、言葉にできないモチベーションに駆り立てられていたように見えた。彼が何に駆られて多くの人を、とくにエイズ罹患前にはあそこまで差別的だった性的マイノリティの人たちをも救おうとしたのか、(法的にも)高いリスクがあったのにも関わらず他者にも分け合おうとしたのかが、説明できないのだけれども映画を観ていると、そこには理由も何も必要なく彼はそうするのが必然だったんだ、といえてしまえそうだ。性的嗜好・性自認という部分では大きく分断していたけれども、(皮肉にも)彼らと同じ病気に罹り、同じ(身体的・社会的)苦痛を受けたことが重要だったのかもしれない。

マシュー・マコノヒーもすごいのだけれども、ジャレッド・レトの演技も繊細ですばらしかった。
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