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ダラス・バイヤーズクラブのharu3uのレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
4.5
HIV陽性で余命30日と診断され、それまで彼を支えていた価値観が全て覆されたテキサスのロデオカウボーイ。生きるために始めた未承認薬の密輸が、いつしか同じ境遇の仲間を救う組織となっていく。

マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトの命を削るかのような役作りには、オスカー主演&助演男優賞受賞も納得。危機迫る減量で、生に執着するエイズ患者を熱演しています。
ホモフォビアのアンチヒーローに惹かれてしまうTGレイヨンの叶わぬ恋は、涙なしには。。


劇中説明はありませんでしたが、世界初の抗エイズ薬AZTを開発したのは日本人の満屋裕明氏。協力関係にあった米製薬会社に出し抜かれ、AZTは氏の意向に沿わぬ高額で販売されたそうです。
保守的で同性愛者への偏見があったとされるレーガン政権下。行政は製薬会社の横行を許し、エイズ対策を全く講じないまま多くの命が犠牲になりました。
そんな状況でのロンの奮闘は間違いなく賞賛に値するし、患者側に多様な選択肢が有るに越したことはない。しかし学術的な裏付けの取れていない薬品が溢れかえると、正しい治療を受けていれば助かったはずの命が失われる危険が出てくる。
未承認薬の問題って難しいですね。
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