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オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主のEDDIEのレビュー・感想・評価

4.0
“死”との向き合い方。我々は大切な人のためにここまで真剣に行動することができるだろうか。アントン・イェルチンの名演が光るミステリーサスペンス。演出の巧さもあり、犯人探しも楽しめる隠れた良作。

演出がうますぎる。とてものめり込みました。
本作って本国で興行収入大ゴケだったらしく、製作費27,000,000ドルに対して、興行収入はたったの570,168ドル(安定のWikipedia調べ)。まぁプロモーションの問題もあったのでしょうが、アントン・イェルチンのほか、ウィレム・デフォーも出演している作品でここまで悪いのは考えられません。
というのも興行収入こそ酷いですが、作品自体の質はめちゃくちゃ高いんです。
監督も『ハムナプトラ』シリーズのスティーブン・ソマーズですからね。

本作はアントン演じるオッド・トーマスが主人公。彼は何の変哲もない青年ですが、ただ一つ霊が見えるという特殊能力を備えていました。死が近づくと湧いてくる“ボダッハ”という死神の霊体がまた奇妙な面持ちをしているんですが、彼が大量発生することで大きな事件があることを予測するオッド。ラブラブな恋人のストーミーと真相を探るべく調査を開始するという話ですね。

いやぁこれは掘り出し物ですわ。ちょっとグロい(きしょい?)演出があるので絶対に食事中は控えてほしいですが、幽霊が出てくるとはいえホラー要素は薄く是非とも観ていただきたい。
正直ラストは泣かされましたよ。いやいや、そんなんビックリするやんその展開。

さらにはミステリーとしても良くできていて、あいつが怪しいなとか、あいつ絶対グルだろとか、主人公たちと同じ目線で推理しながら観れるのでワクワクします。

ウィレム・デフォーの演じる警察署長もナイスガイだし、奥さんとやたらイチャついてるってのもポイントなんですけど、オッドの恋人ストーミーを演じるアディソン・ティムリンがまた愛くるしい美少女ちゃんなんですよね。
そして何よりもアントン・イェルチンですよ。表情の変化、目線の動かし方、手指の使い方一つ一つが全部凄く上手い。話も面白いですが、アントンの演技観れるだけでもかなり価値が高いです。
私は彼を『君が生きた証』で知ったんですが、子役の頃に『アトランティスのこころ』、『ターミネーター4』ではカイル・リース役を演じています。2016年に27歳という若さで事故死したことが悔やまれる才能ある俳優でした。昨年日本公開された彼の遺作にもなる『サラブレッド』はレンタル開始されており、とても面白い作品なので是非ともご覧ください。

スティーブン・ソマーズ監督作品ということもあり、悪霊の描き方とかハムナプトラ味があって凄く良かったですね。彼の本領発揮といったところでしょうか。
AmazonプライムとU-NEXTで見放題なので、興味持った方は是非とも鑑賞ください!

※2020年自宅鑑賞197本目
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