通りすがりのいがぐり

処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビの通りすがりのいがぐりのレビュー・感想・評価

5.0
来てくれてありがとう

前作の本国公開から11年
前作の日本公開から10年
今作が海外全域での公開から約6年程
2020年「海に行けばよかった!」を放ったあの処刑山の続編が遂に6年くらい時を経てやって来た!

あの地獄の旅行から数時間経ち友人皆殺し・恋人誤殺・右腕切断の地獄を生き抜くもボスゾンビであるヘルツォークに追い詰められたマーティンは辛うじて生き残る。しかし殺人の容疑者にされるわ右腕にヘルツォークの腕を縫い合わされるわ、彼の悲劇は終わらなかった。おまけにヘルツォークは自らが指揮するゾンビ兵を引き連れ行く先々で人を惨殺する悪行を行いある目的を達成しようとしていた…最後の希望はアメリカからの特殊部隊ゾンビ・スクワッド(ただのオタク3人)と最強の力を持つヘルツォークの腕のみ…ヘルツォークを止めるため、友人達の復讐のためマーティンは立ち上がる…

監督はインタビュー映像の「そして殺す」がネットミームとして話題になったヘンゼルとグレーテルを魔女狩りにして戦わせた大傑作ヘンゼル&グレーテルの監督お馴染みのトミー・ウィルコアがカムバック相変わらず(と言っても6年前なのだが)の悪趣味なグロ描写だけでなく、老若男女平等死が繰り広げられる大変楽しく笑える地獄絵図にバカバカしいギャグとまさかのネタに国境を越えた守護者たちの闘い、数多の男の子興奮要素をバランスよく調合し超絶最高のゾンビ映画が爆誕した。マーティン以外にもあまりに個性が強すぎるキャラたちのまさかの大活躍は鑑賞する時までの秘密として触れないでおくが、間違いなく最高に笑えて最高にカッコいい活躍がそこにあった。命をかけて仲間と助け合いぶっ殺し合いながら戦う姿に涙腺が震えまさかの一言で腹筋が崩壊した。

ゴア描写は大変素晴らしい…惚れ惚れするくらい程よい笑える悪趣味が詰め込まれた玩具箱と言うべきだろう。あの手この手でグロくしながらも超面白いシーンが満載で眼福と呼ぶべき光景が広がっていた。前述のように今作は老若男女平等死の映画なのでその手のシーンが苦手な人はドン引きするかもしれないがセンスが冴えてる演出のおかげでそんなに強くなかったり町強くしたりの緩急のつけ方も良かった。

6年という長い年月を待ってて本当に良かったと心から思う。人生は波乱の連続で予測不可能だが長生きすれば結構いい事ある。今作を待つのも結構いいことのひとつだ。長年待つということがこれ程までの幸せを導けるのかと気づけた一作だった。本当に来てくれてありがとう。