フリッツ・ラングのノワール。端的にまとめられテンポよく、次の展開が読めず、おもしろかった。
刑事の自殺からギャングにつながるまで、同僚刑事バニオン(グレン・フォード)が勘を働かせて、細い糸を手繰っていく。しかし上からもう関わるなと言われ、辞職させられる。そのバニオンにも不幸が…
ギャングの情婦デビー(グロリア・グレアム)はファムファタールというより、トリックスターで、奔放で無邪気で一途で愛らしい。本作のファムファタールは実は自殺した刑事の妻バーサ(ジャネット・ノーラン)であろう。
女性たちが重要な役割を担い、女性のノワールともいえるのは珍しいのでは。
邦題の意味が途中でわかり、膝を打った。
原題のビッグヒートを80年代に邦題に加えたが、邦題が小粋でこれはこれで良いように思える。
加えた原題の日本語表記(ビッグヒート)がDVDの中のタイトルには「ビック・ヒート」となっているのはご愛敬。