アラシサン弐

17歳のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
3.7
援助交際を取り扱った作品ながらも、単に男女関係のグロテスクさだけを切り取るのではなく、親子や夫婦のような関係性まで射程を伸ばして愛情とは何たるかを描いているように思える。

前半は売春を繰り返す少女に感情移入するような作品かと思いきや、中盤以降では母親や親戚、精神科医など周囲の大人目線で売春の目的や彼女の心理を探っていくような展開に向かうのが面白い。

主人公の少女が売春からくる一過性の愛情から本当の愛に気づいていく、というと薄っぺらい表現になってしまうが、クライマックスでのとある人物とのやりとりで、少女が自分の若さでは手に出来ないような愛情を叩きつけられるシーンが、本当の意味で少女から大人になった瞬間だったのかなとも思う。
アラシサン弐

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