するとら

17歳のするとらのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
3.7
主人公女優の顔の造形があまりに完璧すぎて観ていて全く飽きない
スーツ姿に赤い口紅の姿はもう完璧すぎる。

そんな美しい容姿を利用してネットで見つけた相手に身体を売る少女
ビーチでの初体験時に行為を俯瞰してるもう一人の自分が横に立っているが、あれはピュアで何も知らない以前の姿からの訣別を意味していたのかも

何故身体を売るのか 作中では明示されないままおわります
お金を稼いでいましたがその目的がなんだったのかすら描かれていません

ーここからは独自考察ですー
若さという刹那的で二度と取り戻すことのできないその価値を少女は早くに知り、使えるうちに使おうとしたのでは と私は思います
 使う目的の無いお金は財布に貯められ、お札の数は数値化された自分自身の価値であり、身体を重ねるほどに自分の価値は上がる
一度関係を持った相手に「お前にそんな価値はない」と吐き捨てられ約束以下の金額が渡される 少女はそのあとそれを埋めるかのようにまた他の人と身体を重ねる
終盤亡くなったおじいさんの奥さんが少女に言う「私も勇気があれば男に金を払わせて行為をしたかった 今は払う側になってしまった」17歳で旦那と出会い浮気され続けた奥さんは、誰の所有物にもならず若さを武器にする主人公に羨望を抱いた

若さという価値を売春という形で示した本作ですが、売春を肯定している映画では無いと思います 作中出てくるセリフ「一度身体を売ったら一生売女だ」
主人公は最後吹っ切れたように色々な人を誘惑し同級生との恋も上手くいきません 
いつか失われる美しさに執着し、偏見の目を浴び険しい人生を歩むことになると思います

若さという儚い煌めきを複雑な少女心で描き繊細で美しい映画でした
するとら

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