映画の味方あっつマン

17歳の映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
3.6
イザベルは、バカンス先で出会ったドイツ人青年との初体験を終え、数日後に17歳の誕生日を迎える。パリに戻ったイザベルは、SNSを通じてさまざまな男性との密会を重ねるようになっていた。そんなある日、ホテルのベッドの上で初老の男が発作を起こしそのまま帰らぬ人となってしまう——。

大人になる前の最後の年齢である17歳は、曖昧さと危うさの象徴として扱われることが多い。

フランソワ・オゾン監督の17歳映画は、艶めかしい。なぜイザベルが売春を始めたのかは、答えは最後まで描かれない。オゾン監督らしい。

最初は、未知への興味だったのだが…。途中からは、明らかに意味合いが変わってくる。SNSで「いいね」をもらうのと、少し近いのだろうか。金額にこだわるシーンもあったし、もらえるお金が、自分の価値を測るような感覚だったのだろうか。

オゾン監督の映画には余白が多く、観る者は自らの考えを作品中に巡らせることができる。

最初と最後のイザベルの表情の違いも、興味深い。イザベル役のマリーヌ・ヴァクトは、本作が初主演。オゾン監督の新作「2重螺旋の恋人」でもマリーヌが主演だし、よっぽど気に入られたのだろう。末恐ろしい。