机の下

百瀬、こっちを向いて。の机の下のネタバレレビュー・内容・結末

百瀬、こっちを向いて。(2013年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

乙一原作です。分かる人にはこれで分かると思いますが、エンタメです。
この作品は消費されるようなものであって、青春の痛みだとか陰キャラ特有の悩みだとかは期待してはなりません。短編的な、掌編のような作品です。
寡聞にして表題作の原作を知らず、また作者が乙一氏の本名?だとも知らずに視聴しました。
別所のレビューに「高校時代に恋愛経験ゼロでも楽しめる」とあったのでそういった、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」の一巻のようなモラトリアムもの、あるいは「おやすみ、プンプン」のロードムービー的演出を期待してました。もっともその期待は裏切られるわけですが。
早見あかりさん、竹内太郎さんをはじめとする役者さんの演技については元より期待していないので加点的に見ることができました。
しかしカメラが微妙でした。
爽やかなシーンのめくれそうなスカート、溢れる自意識と異性への関心を表すような表現(屋上でのシーンなどは顕著です)が食傷気味というか演出過剰な気がします。
ロボットさんが作られてるのでこういった漫画やジュブナイル小説にありがちなものの調理は小慣れているように思いますが、いかんせん乙一氏なのです。
彼の作品のダメなところというか実写化に向いてない側面が大きく出ていました。登場人物の嘘臭さ、綺麗すぎる伏線、ドラマチックすぎる展開などなど……
あるいはアニメでやったらよかったのでは?と思わざるを得ない作品ですね。
序盤に青い花を引用するシーンでは、アニメ「サクラダリセット」のシェイクスピア引用を彷彿とさせましたが、奇しくも主題歌が同じ方でした。
作品の雰囲気もやや似ている気がしますね、「山田君と七人の魔女」のアニメ版の主題歌も担当されてますがやはりなにか共通するものを感じます。
閑話休題、先に述べたような引用演出などの過剰に衒学的なところもイタタタタと感じてしまうのは実写だからでしょう。

ともかくまぁよくある青春初恋ものといった感じでした。青臭さの中にある痛さや鬱々とした気持ちを求めて視聴するものではありませんでした。
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