たますけ

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのたますけのレビュー・感想・評価

4.0
タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた青年ティムが意中の女性との関係を進展させようと奮闘する中で、愛や幸せの本当の意味に気付くヒューマンコメディー。

あまりにもこの映画のレビューが良かったので、期待値を上げて見てしまいました。
何度でも失敗のやり直しができるのは、SFの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」っぽいなぁと思いながらも、どちらかというと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の二番煎じを感じてしまった前半。主人公のエゴで何度もくり返す過去を正直なにが良いのかわからない状態で見てました。
つまりこの一族の男子は自分が選んだ人生の責任を取らないんじゃん!
そりゃメアリーは可愛いけどさ。
そんなの人としてどうなの?って。

でももし自分に「自分の過去をやり直せる」能力があったら、私も使うよなぁ。その設定はズルいよな。

心にモヤモヤとしたものを抱えながら見ていたのですが、ティムとメアリーに子供が生まれる中盤あたりから、この映画がまたガラリと表情を変えてくるのが素晴らしかったです。
恋愛ものから温かい家族の物語へと。
家族が増え、そして家族を亡くし、めぐる人生の回転軸の中で辿り着いた主人公ティムの台詞がとても良かったです。
「未来から来た人間だと思って日々を大切に生きる。」
タイムトラベルしなくても、今日が人生の最後の日だと思って生きれば、つまらないと思っていた日常が輝きだすはず。

見終わってしばらく経って、段々とじわじわ心に感動が沁みてくる映画でした。
そしてティムのお父さんがとても素敵だった!
たますけ

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