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アバウト・タイム 愛おしい時間についてのbucciaのレビュー・感想・評価

4.4
『ラブ・アクチュアリー』や『ノッティングビルの恋人』のリチャード・カーティス脚本・監督の最後の監督作品にして最高傑作である本作『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』家族の絆を描いた素晴らしい作品に仕上がっています。リチャード・カーティスといえば心を揺さぶるような熱いメッセージが作品に込められており、いつも作品を見終わると心地よい感動で心が浄化されます。めちゃくちゃ好きな監督だけにあって、この作品がラストと思うと残念で仕方がありません。でも、脚本は続けていくようなので、引き続きリチャード・カーティス脚本作品には注視していきたいと思います。

あらすじを読まずに、これまでのリチャード・カーティス作品の印象とポスターだけをみていつもの男女の恋愛映画かなと思っていたら、予想外のタイムトラベルものでした。タイムリープとして観てしまうと自分のハードルが上がってしまうので、先入観なく観れたのがよかったかな。映画通から数多くの高評価が得られていますが、一般的にはまだまだマイナーな作品なので一人でも多くの方がこの作品と出会ってほしいなと切に願います。

物語は大きく二つのパートに別れ、前半は主人公ティムとメアリーの出会いから結婚を描いたラブストーリーで、この二人の描写をみると心から愛し合えるパートナーをみつけ恋愛をしたくなります。特に、地下鉄のホームを舞台にした断続的に時間の経過を表現したあのシーンはいつみても好き。そして、後半は一転して家族、特に父と息子の絆を描いたドラマに展開していきます。ラストの父子で海岸を歩く姿にはもう感動しかありません。この作品を通して、かけがえのない家族・恋人・友人との何気ない平凡な毎日こそ幸せであり、1日1日を大切に生きていきたいと思えるようになりました。

主人公ティムの家族は皆個性的で愛すべきキャラでした。ティムは、恋愛経験の少ない冴えない青年はまるで自分を投影しているかのようで共感。恋人であり妻のメアリーはめちゃくちゃ美人とはいえないけどキュートで可愛い。父は一風変わりものではあるけど、家族を愛する心優しい父親。母は癖が強いけどまああれだ・・・。叔父は天然キャラ。そして、最も注目していたのは自由奔放な妹キットカット。仕事も続かない、グズな男につかまり振り回されるダメな妹なんだけど、なんかほっとけないような魅力的なキャラでした。あと、初見では気づかなかったんだけど、ブレイク前のマーゴット・ロビーも出演していたんだね。確かにお美しかったけど、レイチェル・マクアダムスの方が好きかな。
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