B姐さん

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのB姐さんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

主人公は「タイムトラベル」できる能力を持つ青年。
彼はその能力を使って自分の日々の失敗を修復する。それを何度も何度も繰り返し、自分自身にとって都合良く日常を書き換え、仕事や恋愛での苦しさなど経験せずに、結婚し子供を持ち“大人”になっていく。
だが父親の死をきっかけに「能力」は封印、かけがえのない日々の大切さを知る。一度きりだからこそ今という時は大切であり、「愛おしい時間」なのだと…


なんだこれ?


主人公は最初から最後まで「自分のことだけ」だ。タイムトラベルの「副作用」のことになんか悩まない。悩まないどころか考えもしない。副作用とは他人の人生まで「リセット」してしまうことだ。自分にとって不幸なことは、実妹、実子であろうが容赦なく「リセット」する。しかもそうするすることが正しいこととでも言うように。しかもその行為は無自覚、無反省の元で行われる。そんな人間がご大層に「今という時間を精一杯生きよう、そして素晴らしい人生をかみしめよう」とかメッセージを言われても冗談にしか聞こえない。都合のいい人生だけを選び、端折った生き方を見て、「ほっこり」もできなければ「感動」などできるはずがない。
「今が大切」、、、うん。たしかに。その通り。

当たり前の話だが、人生は選択の連続だ。人生そのものが選択といってもいい。その中で人は悩んで、苦しんで、もがきながら成長し、うんざりしながら人生の色々な意味を知る。

今まで観た映画はそう教えてくれた。少なくともオイラには。

DVD(10/3/2015)
B姐さん

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