星降る夜にあの場所で

家族の灯りの星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

家族の灯り(2012年製作の映画)
4.4
映画と同じぐらいにお芝居(舞台)も大好きな私のような者には、こういった重厚な室内会話劇はたまりません。
歳を取ると、一時話題になったリンクレイター3部作のタイプは疲れてしまう…
一点、特筆しておきたいのがランプの灯で独特の色合いを醸し出している壁の色。
登場人物のお芝居と同じぐらい、壁の色が気になって仕方なかった(笑)
「サムライ」でお気に入りシーンに挙げた、ドロンの部屋の壁の色を思い出した。
ご覧になれば、一人ぐらいは壁の虜になってしまった私に同調して頂けるのではないかと。
決して明るくないであろう未来を予感させるオープニングの空、海、船、錨、木箱など港を形作る全てのパーツとそれらの影の映像も圧巻。
これらの強烈に味わい深い映像は、一世紀を越える歳月を生きてきたオリヴェイラだからこそ成せる業なのかもしれない。
あっ、そうそう元(ご本人に怒られる)女神の二人が共演したことでも話題になりましたね。
「八月の鯨」あたりから、シルバー世代になった女優たちが堂々とスクリーンに姿を見せてくれる機会が増えてきたような気がします。
個人的には非常に喜ばしい事です。

こちらの作品も明日からレンタルのようですね。
同居の方はもちろん、ご両親が待つ生まれ故郷でお正月を過ごされた方も多い事でしょう。
年初めのこの時期に本作を通して家族のあるべき姿を再確認したくなるような秀作です☆彡