百万ドル当選したと信じ込み徘徊を繰り返す歳老いた父。息子は詐欺だと知りつつ賞金を受け取りに、ネブラスカまで約1800キロ車を走らせる。
飾り気なく淡々と流れる全編モノクロの風景。この小さな田舎町に両親の歴史があって、確かに人生を紡いできた。
とはいえ狭い田舎のコミュニティや親戚づきあい、父親に集ってやろうと考える人々の卑しさに辟易する場面も多く…。夫や息子のやる事なす事気に入らず文句ばかりだった母親の啖呵や、景品のキャップを被ってのウイニングランにはほんと溜飲が下がりました。
何より息子の粋な計らいが素晴らしくって。この優しさは誰に似たんだろうと考えて、またじんわりきたり。
悪く言えば地味極まりないのですが、家族の絆を静かに見つめた心温まる良作です。
