結局、前作と本作、退屈な印象は拭えませんでした。
原作に忠実な、本当に丁寧な作りには、好感は持てます、が、ただそれだけ。
「原作に忠実」=映画としての面白さ、とは別モノでしょう。
ほぼ完璧な原作漫画を、忠実にトレースするだけなら、そもそも映画にする意味があるのでしょうか?
映画「寄生獣」の好ましいポイントは、既に原作「寄生獣」にあった要素のみ。プロットとテーマ。
そして、マンガ原作に忠実であろうとする姿勢は、本来別の要素で構成される「映画」に焼き直した時点で、そこに齟齬が生まれ、作品の本来の魅力を損なう事に。
クライマックスからエンディングに掛けた、恐ろしく退屈で、酷いテンポの語り口が象徴的だと思います。
本作に限らず、人気マンガの実写映画化が後を絶たない状況ですが、どうせ映画にするならば、その必然性を示す気概が欲しいものです。